スクリーニング検査は、治療を始める前の健康診断みたいなもので、今の生殖機能状態を知るためにする検査です。この検査をもとに治療方針が立てられます。初診を含め2~3回で終わる検査だと思います。
しかし、私の場合この検査だけで5回の通院が必要でした。今回は、2回目通院以降のスクリーニング検査の模様です。
私はこの検査で初めて自分の性的な老いと向き合うことになります。
2回目通院
初診日から1週間後、前回の内診で実施した結果を聴く事になりました。子宮頸がん検査・クラミジア抗原検査・膣細菌検査をしていたようで、これらの検査は問題無しとのことでした。
たったそれだけのことでも、一安心。深くため息をついていました。
今回の目的は、夫の精液検査と、生理20日目前後に実施する血液検査です。
精液検査は精子の運動率を、血液検査は黄体期ホルモンが妊娠するために必要な数値出ているかチェックする為に必要な検査だそうです。
精液検査については、夫は仕事で同伴が無理なので、朝採取したものを持参しました。病院に着いてすぐ受付に提出するとその日の診察に結果を教えてもらえます。こちらも無事問題ありませんでした。
しかし、生理20日目での血液検査は、エコー検査をしたところ、まだ排卵していなかったので見送る事になりました。
これにはものすごくショックを受けました。
なぜならこんなに排卵が遅れたことはなかったから・・。
もしかすると、今までも28日周期でバッチリ生理が来ていたと安心していただけで、無排卵だった可能性もあります。
初めて自分の生殖機能の老いを実感した日でした。
今まで生理のことで悩んだ事がなかったからこそ、急激に『老い』への不安が襲ってきて怖くなりました。
3回目通院
そんなわけでさらに1週間後、私はまた病院にきていました。これで毎週末通っていることになります。正直通院だけで1日仕事なので、疲れが出てきている頃でした。
前回まで2回診てもらった先生は、かなり早口で伝えないといけない事のみ話され、こちらから発する機会がないくらいの速さで診察が終わるので、場に飲み込まれてしまいがちでした。
そこで今回は違う先生で予約しました。
今回もエコー検査をすると排卵していないとのこと。
ショックなのと、疲れや前回から抱いている老いへの不安も相まって、思わず先生に更年期に入っているか尋ねてみました。
私の年齢だとそれも気にしないといけないこと・・。そうだったら不妊治療どころではありません。
しかしそれは関係ないと言ってもらえ、ひとまず安心しました。
それから、排卵はしていないけど今回血液検査をしてしまおうと先生。
また、排卵していない事を逆手にとって、この後排卵誘発剤の注射で排卵を促し今晩か明晩タイミングを摂るタイミング療法もしましょう、とも言ってもらえました。
この先生の対応にどんなに救われことか・・。泣きそうでした。
まだ排卵していないのに血液検査をしたところで検査として不十分ではないのか、そんな事は分かりません。
しかし、まだ治療も始まっていない段階での一向に進まない足踏み状態の状況は、不妊治療をするなと言われているようで、心身ともに萎えそうになっていました。遠路はるばる出向いてもいつも空振り・・検査自体進まない・・。もう検査の結果なんてどうでもよかった。とにかく1歩ずつ前に進んでいることを実感したかった。そんな心境でした。
安心できる環境は自分でつくる
先生を変更したことは結果として良かったです。今回の私のこの小さな試みはいろんな気付きをくれました。
この時の私の心境や状況は、また今回も排卵していないというショックだけでなく、疲れや老いへの不安も相まってかなりナーバスな状態でした。
この時の私には、目を見てゆっくり話しかけてくれる先生が必要でした。
先生との相性もあるかと思いますがそれより大切なことは、その時の自分の心境や状況によって求めていることは変わるので、常に「今」の自分の状況を客観的にみて自分の安心できる環境を作っていくことが必要だと思いました。
不妊治療は、一歩踏み出す度に現実に直面し常に不安と隣り合わせです。
そしてその不安を少しでも和らげることができるのは自分だけです。
自分を少しでも安心する所に戻してあげるには膨大な愛が必要ですが、「治療にチャレンジしよう!」と決心した時の自分をいかに尊重し続けられるか―これがカギになると思います。
当時、私はいつも不安になると原点の自分(決意した時の自分)を思い出していました。
決意した時の自分を誇りに思っていたので、そこに立ち返っていたのかもしれません。
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