実際Uターンをしてみて一番つまずいたお話をしたいと思います。
これは、今からUターンされる方は、少しでも頭の片隅に置いておかれるのと、そうでないのとでは全く違うと思います。
私はこれで大失敗したからこそ、ぜひ転ばぬ先の杖ということでご参考にしていただければと思います。
時は止まったまま
私は、以前自己紹介の回で書いたとおり、高校卒業と同時に親元から離れ都会に出ました。そしてUターンするまで約15年間都会生活を満喫しました。
18歳だった私もUターン時には33歳。社会人生活も10年以上経験した端から見たら『大人』です。
Uターンした当初、私は実家に戻りました。帰郷後一人暮らしを続けようという考えは念頭になく、迎え入れる親も同じ感覚でした。
そして私のUターン生活が始まります。当初は親との久々の同居に懐かしさを覚えながら新鮮な気持ちで過ごしていました。
しかし、私達は大切な事を見過ごしていました。
そう、時は経過しているのです。
なのに、私も両親も、『私が18歳の時で止まったまま』だったのです。
この化石のような感覚が、その後の様々な日常生活にズレを生じさせていきます。
今までのリズムが狂う~両親編~
私がUターンしてくるまでは、両親と祖母の3人のリズムが完成していました。
定年を迎え3人静かで安定的なリズムを刻んでいたことだと思います。
そこへ私が加わり、ありがたい事にUターンと同時に就職先も決まっていたので、落ち着く間もなくバタバタと1人リズムの違う現役世代が乱入することになりました。
迎え入れる家族からすれば、時間の流れが様変わりしました。
時間の流れだけではありません。
3人で長年かけて丁寧に整えてきた習慣・暗黙のルール・関係性や役割分担が、音を立てて崩れていきました。
”子”であっても、18歳と時のように扶養されているわけではなく、生活者として入ってきたので、台所も風呂場も全ての共有スペースで自分流が出るからです。
なんでイライラされているのか分からない~Uターンした私編~
迎え入れる家族が、常に小さなストレスを抱えていることを感じ取っていましたが、何が原因なのか全く見当がつきませんでした。仕事に慣れることばかりに気を取られ、おざなりにしていました。
また、生活費は入れるものの、お弁当を作ってもらったり、洗濯も私の分も一緒にしてもらったりと、18歳の時と同じ感覚でした。
そして仕事が休みの日、普段は出来ないからと良かれと思い勝手に家事をしていました。
今から思うと、実家の手順や算段を無視した私流の家事をしていました。
そしてお互いのストレスが衝突します。
迎え入れる側の家族は、リズムを狂わされるストレス。
私は、Uターンして田舎に馴染もうとしている時に非協力的な家族にストレス。
何度も何度も衝突した結果、私は一人暮らしをする事になります。
今から思えば・・・
今から思えば、私が都会に出た後残った家族で長年かけて築き上げてきた彼らの生活を尊重していなかったことが原因だと思います。私も家族なんだからいつでもタイムラグなく入り込めると勘違いしていたことです。
勘違いの大元は、『Uターン』と『帰省』の区別を付けていなかった事だと思います。今まで帰省した時に家族が温かく迎え入れてくれていたのは、あくまで私の生活拠点は都会にあって一時的に帰省している『お客さん』だったから。
Uターン後は『一人の生活者』として入らせてもらうにも関わらず、私がお客さんの気でいたからだと思います。すごく傲慢だったと思います。
また、18歳の時と同じ『家族』の感覚でいました。たまたま同居をしているだけで別世帯である、という感覚を持ち合わせていませんでした。今から思えば、ええ歳してお弁当作ってもらったり洗濯が出来ているのを当然と思っていたことを恥ずかしいと思います。
私の大失敗=赤っ恥をご覧いただきいかがでしたでしょうか?
Uターンは、家族への接し方を見つめ直す良い機会かと思います。
その際に気を付けて頂きたいのが、『時間は刻々と過ぎている!!Uターン前の家族のままではないのだ』ということです。
どうぞ私の情けない失敗が少しでもお役に立ちますように。
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